インタビュー:吉田 一剛 氏(スタッフエージェント/福岡県) × 上野 正人(日本提携支援)
吉田 一剛 氏
建設・内装資材のリース・内装工事支援事業に約40年従事。特殊足場「シフトベース」を開発し、全国の現場を経験され、九州の商業施設・再開発プロジェクトなど主要案件の多くに関与。2010年にスタッフエージェントに参画し、福岡を中心に事業拡大。
■熊本地震の傷跡、そして人材難
上野:売却を意識されたきっかけはいつ頃ですか?
吉田氏:一番は熊本地震があったタイミングですね。あの時、復興案件が急増した反面、一部の案件で想定外のコストやトラブルが重なってしまって。本業自体の粗利は3割強と非常に強い事業だったのですが、突発的な負担によって資金面のバランスを立て直す必要が出てきたんです。
加えて、ここ数年は採用環境が一段と厳しくなりました。人口減少というエリア特有の課題に加え、ベテランの離脱や営業担当の入れ替わりもあり、「今のメンバーだけで守り切るには負荷が大きくなってきた」と感じ始めたのがきっかけです。
■仲介会社選びと非専任での複数依頼
上野:弊社にご依頼いただく以前から、複数の仲介さんとも接点はおありでしたよね?
吉田氏:そうですね。M&Aを視野に入れ始めたくらいから、大手仲介からも次々に案内が来ていたんですが、正直“絨毯爆撃”のような無差別な営業が多くて。非現実的なバリュエーションや、机上で作ったようなプランもありました。
上野:なるほど。今回は、弊社を介して複数の仲介さんに同時依頼されていましたが苦労されたことは?
吉田氏:特に苦労したことはありませんでした。数社並走する前に、日本提携支援さんからあらかじめ譲れない条件を各アドバイザーさんにお伝えしてくださっていたので進行もスムーズでした。買い手さんを絞った後も、アドバイザーから丁寧にフォローいただきつつ、着実に進めてもらいました。
■譲渡先の選定は熱意、現実性、そして“相思相愛”
上野:買い手候補はどのように比較されましたか?
吉田氏:日本提携支援さんを通じて仲介会社から提案を受ける中で、最終的に絞った数社の買い手さんは、話が現実的で経営者のスタンスが非常に誠実でした。また、九州圏という地理的連続性もあり、うちの事業との具体的なシナジーがはっきりしていました。
上野:素晴らしいですね。数社の買い手さんがいる中、最後の決め手になったものとは?
吉田氏:決め手になったのは、やはり“熱意”です。みなさん素晴らしい企業ばかりだったのですが、今回選んだ買い手さんは一緒にやりたいという姿勢が、面談でにじみ出ていた。直感的にここだ、と感じたんです。
■目的は“金額”ではなく“人材と継続”
上野:買い手さんとの交渉時には、対価より“人材”を優先されたと伺いました。
吉田氏:そうです。正直、金額へのこだわりは薄かったですね。第一条件は”幹部人材を確保して会社を継続させること”でした。
私自身、66歳で、熊本地震の際に抱えた負担も徐々に和らいでいく見通しがありました。ただ、新しい人材を採用しにくい状況では、その間に社員への負荷がさらに増える可能性もあった。会社の寿命と、自分の体力を考えた時に、自分の役割を引き継げる人材を確保することが最も重要だと判断しました。
上野:なるほど。実際に買い手さんとの対談ではいかがでしたか?
吉田氏:とても良かったです。買い手さんは幹部人材の派遣を前提としつつ、自社で足場材を保有し、全国展開も視野に入れている企業です。こちらの実績や取引先ネットワークも十分に活かせるため、「双方の強みが自然に組み合わさる」と感じられる相手でした。
■仲介しない“中立ポジション”のありがたさ
上野:当社の立ち位置は総じていかがでしたか?
吉田氏: M&A業界は正直、怪しい手紙や押し売り営業が多いです(笑)。その中で日本提携支援さんは、仲介ではなく“比較と紹介のハブ”として動く。利益相反がなく、複数の仲介会社に依頼することで競争原理を生み出し、面談の質を上げるという進め方も合理的でした。
■会長職として“象徴”に。今はゆったり、支える側へ
上野:ご売却が完了した今は、どのような形で事業に携わっているのですか?
吉田氏:売却後は、買い手さんからの要望で、現在は会長職として残っております。とはいえ、現場からは離れているので、ネットワーク提供や銀行さん・取引先さんとの調整役を担っていますね。長年築いたつながりは財産ですし、役に立つなら喜んでやりますよ。
■“会社を守る決断”は、早い方がいい
上野:最後に、M&Aを検討している経営者へのメッセージをお願いします。
吉田氏:実は、当初はM&Aを考えておらず、70歳のタイミングで退職金をもらって後継に譲ることを想定しておりました。ただ、経営をしている以上、なにが起きるのかは分からない。今回は優秀なアドバイザーにお任せすることで円滑にM&Aを進めることができ、なにより熱意ある買い手さんと一緒になることができました。
日本提携支援さんがご紹介してくれたアドバイザーのように、最終的には誰と進めるかが最も重要だと感じています。
上野:本日は貴重なお時間をいただきありがとうございました!
【活用いただいた当社サービスはこちら】
■M&Aオファー
事業承継や売却を検討する経営者様が、一度の登録で60社以上のM&A支援会社からオファーを受け取れるプラットフォームです。
経営者様は自社の条件に合った提案を比較し、ご自身のタイミングで、最適なM&Aパートナーを選定できます。中小M&Aガイドライン(第三版)を踏まえた日本初のサービスで、公平性と透明性を重視。登録は無料で、契約期間の制限もなく、経営者のペースで進められます。
詳しくはこちら
