
監修者
株式会社日本提携支援 代表取締役
大野 駿介
過去1,000件超のM&A相談、50件超のアドバイザリー契約、15組超のM&A成約組数を担当。
(株)日本M&Aセンターにて、年間最多アドバイザリー契約受賞経験あり。
新規提携先の開拓やマネジメント経験を経て、(株)日本提携支援を設立。
事業を成長させながら社会に貢献したい。しかし、M&Aや事業承継を考えた時に、目先の利益ばかりが先行し、長年築き上げてきた企業文化や地域との繋がりが失われてしまうのではないか——そんな不安を抱える50代、60代の経営者の皆様が増えています。
こうした中で今、経済的利益と社会貢献を両立させる「ゼブラ企業」という経営モデルが注目を集めています。これは、単なる流行りの概念ではありません。貴社が培ってきた非財務価値を正しく評価し、持続可能な形で次世代に繋ぐための、実践的なM&A・事業承継の新しい視点となり得ます。
本稿では、ゼブラ企業の基本的な概念からM&A・事業承継におけるその意義、そして私たちNTS(日本提携支援)がどのようにその実現を支援しているのかを解説いたします。新たな時代の企業経営を模索する皆様が、具体的な一歩を踏み出すきっかけとなれば幸いです。
ゼブラ企業は、経済的利益と社会貢献を同時に追求する企業であり、M&Aや事業承継においても、この両立を重視することで企業価値の向上と持続的な発展が期待できます。特に中小企業においては、地域社会との繋がりや独自の技術・文化といった「非財務価値」を承継する上で、ゼブラ企業的な視点が極めて重要です。NTSでは、このような価値観を持つ企業のM&A・事業承継を支援し、長期的な視点での企業成長と社会貢献の実現をサポートしています。
1. ゼブラ企業とは?その定義と今注目される背景
1-1. 利益と社会貢献を両立する新たな企業モデル
ゼブラ企業とは、経済的な利益追求と社会的なインパクト創出を両立させることを目指す企業を指します。シマウマ(ゼブラ)の模様のように白と黒がはっきり分かれていることから、利益と社会貢献という一見相反する要素を併せ持つという理念を象徴しています。
この概念は、特に欧米のスタートアップ界隈で提唱され始めました。短期間での高成長や高収益を目指すだけでなく、長期的な視点で持続可能な事業運営と社会課題の解決に貢献しようとする姿勢が特徴です。NTSの現場では、地域に根差した中小企業の経営者の皆様から、「事業を継続しながら、地域社会へも貢献し続けたい」というご相談が増えています。これはまさに、ゼブラ企業が持つ理念と通じるものがあると考えています。
1-2. なぜ今、ゼブラ企業が求められているのか
現代社会は、環境問題、社会格差、少子高齢化、地域経済の衰退など、多くの複雑な課題を抱えています。こうした背景から、企業に対しても単なる経済活動に留まらず、社会的な責任を果たすことが強く求められるようになりました。利益と社会貢献の両方を重視するゼブラ企業は、こうした時代の要請に応える新たな経営モデルとして注目されています。
私たちは、M&Aを単なる企業の売買ではなく、地域経済の活性化や持続可能な社会の実現に貢献する「提携支援」と位置付けています。これまでのM&A支援において、売り手企業が持つ社会的価値、例えば地域に根差した雇用、独自の技術やノウハウ、顧客との長年の信頼関係といった非財務価値を高く評価し、その承継を重視した買い手とのマッチングを成功させたケースが数多くあります。このゼブラ企業的な価値観は、M&Aにおける企業評価の多様化を促進し、新たな企業の成長可能性を拓くものだと確信しています。
2. ユニコーン企業との違い:成長モデルの比較
2-1. 爆発的な成長を追求するユニコーン企業
ゼブラ企業と比較されることが多いのがユニコーン企業です。ユニコーン企業とは、創業10年以内かつ評価額10億ドル(約1,500億円)以上の未上場企業を指す言葉で、主にIT分野のスタートアップ企業で使われます。彼らは、短期間で高い企業価値を実現し、市場を席巻するような爆発的な成長を目指します。この成長モデルは、大規模な資金調達を行い、早期のイグジット(IPOやM&Aによる売却)を目指すことが一般的です。
2-2. 共存共栄と持続可能性を目指すゼブラ企業
一方、ゼブラ企業は、ユニコーン企業のような短期的な評価額最大化や爆発的成長よりも、持続可能性と社会貢献を重視します。つまり、利益を追求しつつも、その利益が社会課題の解決やコミュニティの発展に繋がることを目指すのです。例えば、従業員のウェルビーイング(心身の健康と幸福)を重視したり、環境負荷の低減に積極的に取り組んだり、地域社会との協調を深めたりといった活動を通じて、長期的な視点で企業価値を高めていきます。
ユニコーン企業が「競争」と「独占」を志向するのに対し、ゼブラ企業は「共生」と「共有」を基盤とします。私たちは、このゼブラ企業的な考え方が、特に日本の中小企業、地方経済にとって非常に親和性が高いと考えています。中小企業は地域に根差し、雇用を創出し、独自の技術やサービスを通じて社会に貢献しているからです。
3. 中小企業がゼブラ企業経営を目指す意義と課題
3-1. 地方創生や地域課題解決における中小企業の役割
日本の中小企業は、地域経済の屋台骨であり、地方創生や地域課題解決において不可欠な存在です。しかし、後継者不足や競争激化、働き手の減少といった課題に直面している企業も少なくありません。このような状況の中で、単に事業を継続するだけでなく、その事業を通じて地域社会に貢献し、持続可能な発展を目指すゼブラ企業的な経営は、中小企業にとって新たな成長の道を拓く可能性を秘めています。
私たちは、地方自治体との連携協定を通じて、地域社会が中小企業に求める期待が、単なる経済的貢献から、社会課題解決への積極的な参画へとシフトしていると感じています。ゼブラ企業を目指すことは、こうした時代の要請に応え、企業の社会的信用やブランド価値を高めることにも繋がります。
3-2. M&A・事業承継でゼブラ企業的な価値観を取り入れる
M&Aや事業承継は、企業の存続と発展を左右する重要な経営判断です。このプロセスにおいてゼブラ企業的な価値観を取り入れることで、単なる事業の引き継ぎを超え、より大きな社会貢献と持続的な成長を実現できると私たちは考えています。
NTSの600件以上の相談実績の中には、単なる事業の引き継ぎだけでなく、企業が持つ独自の文化や地域とのつながりを次世代に託したいという経営者の声が多数寄せられています。これは、利益だけでなく、非財務的価値を重視するゼブラ企業の思想と合致します。M&Aや事業承継を検討する際には、売却益の最大化だけでなく、事業の社会的意義や地域への貢献をどのように継続していくかという視点を持つことが、売り手・買い手双方にとってより良い結果をもたらすことに繋がるでしょう。
4. ゼブラ企業的な視点を取り入れたM&A・事業承継戦略
4-1. 財務価値だけでなく「非財務価値」を評価するM&A
ゼブラ企業的なM&Aでは、伝統的な財務指標による企業評価に加え、「非財務価値」の評価が重要になります。非財務価値とは、企業のブランド力、顧客基盤、従業員のスキルとモチベーション、独自の技術やノウハウ、地域社会との関係性、サプライチェーンにおける倫理的側面など、数値では測りにくいものの企業価値に大きく貢献する要素のことです。
NTSでは、M&Aアドバイザリーとして、売り手企業の非財務価値を丁寧に掘り起こし、その魅力を買い手候補に伝えることに注力しています。例えば、特定の技術を持つ製造業の承継においては、その技術が持つ社会的な応用可能性や、技術者の育成体制といった点を具体的に評価し、買い手候補に提示することで、単なる設備投資ではない長期的な価値提供を訴求することが可能です。これにより、より多くの買い手候補との接点を創出し、理想的なパートナーシップの実現を支援します。
4-2. 後継者選びから売却先の選定まで、長期的な視点を持つ
M&Aや事業承継は、一度きりの取引ではありません。事業がその後も継続し、社会に貢献し続けるためには、長期的な視点での戦略が必要です。ゼブラ企業的なM&Aでは、短期的な利益だけでなく、M&A後の事業統合プロセス(PMI:Post Merger Integration)まで見据え、新しい経営体制下でも社会的使命を果たせるかどうかが重要な選定基準となります。
例えば、NTSが支援したあるケースでは、地域経済に不可欠なサービスを提供していた小規模な建設会社が後継者不在に悩んでいました。私たちは、単に事業規模を拡大したい企業だけでなく、「事業を通じて地域貢献したい」という明確なビジョンを持つ買い手を探しました。結果として、買い手企業は売り手企業の技術力だけでなく、長年培ってきた地域からの信頼と雇用を継承することを約束し、双方にとって持続可能なM&Aが実現しました。買い手側も、地域への貢献を通じて企業のブランド価値を高めることに成功しています。
4-3. M&A後もゼブラ企業理念を継承・発展させるために
M&Aが成立した後も、ゼブラ企業理念を継承し、さらに発展させていくための取り組みが不可欠です。これには、企業文化の統合、従業員のエンゲージメント向上、地域社会との連携強化などが含まれます。私たちは、M&Aのプロセスだけでなく、PMIの段階においても、買い手企業が売り手企業の持つ社会的価値を最大限に活かし、新たな企業として持続的に成長していけるよう、専門的なアドバイスを提供しています。
5. NTSが考えるゼブラ企業経営へのM&Aアドバイザリー
5-1. 企業価値の多角的な評価と最適なマッチング
私たちは、M&Aにおいて、財務的な価値だけでなく、売り手企業が持つゼブラ企業的な非財務価値を深く理解し、評価することを重視しています。具体的には、企業の歴史、技術、ブランド、顧客との関係性、従業員の専門性、地域社会への貢献度など、多角的な視点から企業価値を分析し、買い手候補に訴求力のある情報として整理します。
NTSでは、600件以上の相談実績と地方自治体との連携協定実績を通じて培ってきた独自のネットワークとノウハウを活かし、売り手企業が目指す「持続可能な社会貢献」というビジョンに共感し、その価値を最大化できる最適な買い手を探し出すことに強みを持っています。単に条件面が合うだけでなく、経営理念や企業文化が合致するパートナーを見つけることが、M&A成功の鍵だと私たちは考えています。
5-2. M&A後のPMIまで見据えた一貫した支援
M&Aは契約締結で終わりではありません。その後に行われるPMI(Post Merger Integration:経営統合プロセス)がいかにスムーズに進むかが、M&Aの成否を大きく左右します。特にゼブラ企業的なM&Aにおいては、異なる企業文化や経営理念を統合し、両社が持つ社会貢献への意識を融合させながら、新たな企業として持続的に成長していくための戦略が求められます。
NTSでは、M&Aの初期段階からPMIまでを一貫してサポートすることで、買い手企業が売り手企業の持つゼブラ企業的な価値を最大限に引き継ぎ、さらに発展させていけるよう伴走いたします。組織文化の統合、人材の定着、新たな事業戦略の策定など、幅広い観点から専門的な知見を提供し、両社がシナジー効果を最大限に発揮できるよう支援してまいります。
まとめ
ゼブラ企業は、経済的利益と社会貢献を両立させるという、現代の企業経営に求められる新たな視点を提供しています。M&Aや事業承継を検討する中小企業の経営者の皆様にとって、このゼブラ企業的な価値観を取り入れることは、単なる事業の継続を超え、企業の持続的な成長と社会的な存在意義を高める大きな機会となり得ます。
私たちは、M&Aを真の「提携支援」と位置付け、地方自治体との連携協定実績や600件以上の相談実績を通じて培ってきたノウハウで、中小企業の経営者の皆様のM&Aを力強くサポートいたします。M&Aについてご不明な点や不安なことがあれば、どんな些細なことでも構いません。ぜひ一度、NTSにご相談ください。
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