「黒字なのに、相談しないまま廃業する」——山形県の休廃業・解散は、過去10年で最多となりました。
2026年9月17日(木)、令和8年度 鶴岡市・酒田市事業承継支援事業「経営・産業承継セミナー」に、株式会社日本提携支援 代表取締役 大野駿介が登壇しました。
演題は「技術・雇用・取引先を次世代に繋ぐために ~庄内地域から考える10年後も業界を残す『経営と承継』のヒント~」。
庄内地域の経営者・支援機関の皆さまを前に、廃業を決める前に選択肢を並べて考えるための視点をお話ししました。
庄内の30年が示す、経営の前提の変化
セミナーの前半では、鶴岡市・酒田市を取り巻く環境を公表データで確認しました。
両市の総人口は、1995年の27.2万人から2025年には20.5万人へ、この30年で24.5%減少しています。ただ、より経営に直結するのは人口そのものより担い手の減り方です。
鶴岡市では、約30年間で人口が18.9%減る一方、小売業の事業所は49.5%減と、人口の減少を大きく上回るペースで商いの担い手が減っていました。
お客さまも、働き手も、取引先も変わっていく。その前提のうえで「仕事を続ける体制」をどう考えるかが、このセミナーの出発点です。
黒字でも、相談しないまま廃業は起きている
環境の変化は、一社ずつの判断となって表れます。山形県の休廃業・解散は552件と過去10年で最多を記録し、そのうち直近の損益が黒字だった企業は55.2%にのぼりました。
黒字であることは、承継の準備が十分であることを意味しません。全国の調査では、外部機関や専門家に相談しないまま廃業を決めた事業者が8割近くを占めます。廃業は業績からではなく、相談しないまま決めてしまうところから始まっている。講演では、そうした実態を共有しました。
大切なのは、経営者自身が納得して判断できること
講演では、地域の事業が「消えた」ケースと「残った」ケースを新潟県村上市・熊本・東北の事例から取り上げ、両者を分けたものを整理しました。そのうえで、親族内承継・従業員承継・第三者承継を横に並べて比較し、託す側・託される側それぞれに必要な準備をお話ししています。
M&Aは事業承継の選択肢の一つであり、身売りでも乗っ取りでもありません。廃業を決める前に、まず選択肢を並べてみる。そのうえで納得して判断できることが何より大切だと、大野は繰り返し伝えました。
そして最後に「誰にも相談しないまま、託す道を閉ざさないでほしい」と呼びかけ、講演を締めくくりました。
開催概要
- 内容:令和8年度 鶴岡市・酒田市事業承継支援事業 経営・産業承継セミナー
- 演題:技術・雇用・取引先を次世代に繋ぐために
~庄内地域から考える10年後も業界を残す「経営と承継」のヒント~ - 日時:2026年9月17日(木)15:30〜17:00
- 会場:庄内産業振興センター研修室
- 登壇者:株式会社日本提携支援 代表取締役 大野駿介
- 主催:鶴岡市/酒田市産業振興まちづくりセンター サンロク
- 共催:鶴岡商工会議所/日本政策金融公庫酒田支店
- 後援:山形県事業承継・引継ぎ支援センター
- 協力:出羽商工会/酒田商工会議所/酒田ふれあい商工会
お問い合わせ
庄内地域の事業者の皆さまは、酒田市産業振興まちづくりセンター サンロク、または鶴岡市商工課を通じてご相談いただけます。「セミナーの話をもう少し聞きたい」とお伝えいただければ、ご希望に沿ってNTSへおつなぎします。
NTSへ直接のご相談も承ります。売り手・買い手のどちらの立場でも、また「売る・買う」を決める前の段階でも構いません。
- 株式会社日本提携支援
- TEL:03-6667-0221
- 公式サイト:https://nihon-teikei.co.jp/
- お問い合わせ:https://nihon-teikei.co.jp/contact/
自治体・商工団体の皆さまからの、セミナー・勉強会・少人数の相談会のご依頼も受け付けています。
同業の経営者3〜5名、部会の有志など、本音を話しやすい規模での座談会にも対応しています。
